「日々の領収書入力はなんとか終わったけれど、この数字は本当に合っているのだろうか?」
「決算整理(けっさんせいり)って言葉を聞くけれど、具体的に何をすればいいの?」
青色申告の準備において、日々の記帳(Step1)の次に待っているのが、「総勘定元帳のチェック」と「決算整理」です。
実は、税務調査で指摘されやすいミスや、逆に払いすぎた税金を取り戻すチャンスは、この「Step2」に集中しています。ここで正確な処理を行うことが、追徴課税のリスクを減らし、正当な節税を行うための最大のポイントです。
- 総勘定元帳チェック:現金マイナス是正、重複削除、預金残高の一致
- 在庫(棚卸し):売れ残りを経費から除外する
- 減価償却:10万円以上の資産を正しく計上する
- 家事按分:プライベート使用分を経費から抜く
- 発生主義の調整:未払・前払などの「ズレ」を直す
この記事では、青色申告6部構成の第2弾として、プロの税理士も必ず行うチェックポイントと、個人事業主がやるべき「4大決算整理」について、わかりやすく解説します。
今のうちに修正しておけば、確定申告期限ギリギリになって慌てることはありません。一緒に一つずつ確認していきましょう。
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青色申告Step2の全体像|なぜ「決算整理」が必要?
日々の取引を入力しただけでは、正しい「決算書(貸借対照表・損益計算書)」は完成しません。なぜなら、お金の動き(現金主義)と、実際の経済活動(発生主義)には「ズレ」が生じるからです。
Step2で行う作業は大きく分けて以下の2つです。
- 総勘定元帳のチェック(入力ミスや異常値がないか確認する)
- 決算整理仕訳(12月31日時点の正しい状態に数値を修正する)
これを怠ると、架空の利益に対して税金を払うことになったり、逆に経費を計上し忘れて損をしたりします。まずは「間違い探し(チェック)」から始めましょう。
総勘定元帳の3大チェックポイント
総勘定元帳(そうかんじょうもとちょう)とは、すべての取引を勘定科目ごとにまとめた帳簿のことです。会計ソフトを使っている場合は、メニューから「総勘定元帳」を開くだけで自動作成されています。
特に重点的にチェックすべきなのは、以下の3つのポイントです。
1. 「現金」残高がマイナスになっていないか?
最も基本的かつ重大なチェック項目です。「現金」の残高がマイナスになることは、物理的にあり得ません。
もし元帳上で現金がマイナスになっている場合、以下の原因が考えられます。
- 売上の入力を忘れている
- プライベートな財布から経費を払ったのに「事業主借」として処理していない
- 現金の支払いを二重に入力している
放置して申告すると、税務署から「売上隠し」や「ずさんな帳簿」と疑われる原因になります。必ず原因を突き止め、修正してください。
2. 「預金」残高が通帳と一致しているか?
12月31日時点で帳簿上の「普通預金」残高は、実際の銀行通帳の残高と1円単位で一致していなければなりません。
もし合わない場合は、どこかで入力ミスや漏れがあります。通帳と元帳を月ごとに照らし合わせ、ズレが発生した月を特定して修正しましょう。利息の入力漏れ(受取利息)や、振込手数料のズレがよくある原因です。
3. 重複入力や勘定科目の間違いはないか?
クレジットカードの明細取込機能を使っている人に多いミスです。
- レシートを見て手入力した後、カード明細の自動取込でも登録してしまい、経費が二重計上されている。
- 高額な備品(10万円以上)を「消耗品費」にしている(原則は減価償却が必要)。
「クレジットカードの引き落とし日」を経費の日付にしていませんか? 青色申告では「カードを使った日(利用日)」に経費計上するのが原則です。
個人事業主がやるべき「4大決算整理仕訳」
データのチェックが終わったら、次は「決算整理」です。これは12月31日時点の正しい資産・負債の状態にするために行う、年末特有の処理です。
主に以下の4つを行います。
1. 棚卸し(在庫の確認)
物販や製造業など、在庫を持つビジネスの場合、12月31日に売れ残っている商品は今年の「経費」になりません。これらは「資産(棚卸資産)」として計上し、今年の仕入高から差し引く必要があります。
12/31時点の在庫が30万円あった場合
(借方)繰越商品 300,000 / (貸方)仕入 300,000
※会計ソフトによっては「棚卸資産」「期末商品棚卸高」など別の科目名で自動仕訳されることがあります。お使いのソフトの表示に合わせてください。
これを忘れると、経費が過大になり脱税行為とみなされる恐れがあるので注意が必要です。
また、自分で使った「家事消費」や、知人に配った「贈答」なども、在庫から抜いて売上に計上する処理が必要です。
2. 減価償却費の計上
10万円以上のパソコンや車などは、買った年に全額経費にするのではなく、数年にわたり分割して経費にします(減価償却)。
金額によって扱いが変わるため、まずは次の3パターンで整理すると迷いません。
- 10万円未満:
原則、その年の必要経費(消耗品費など)に全額計上できます。 - 10万円以上20万円未満:
原則は資産計上ですが、「一括償却資産」として3年間で均等に償却する方法も選べます。 - 30万円未満:
青色申告者の場合、「少額減価償却資産の特例」を使えば、合計300万円まで取得した年に全額経費にできます。
【ポイント】
利益がたくさん出た年は「特例で全額経費」にし、赤字の年は「通常の減価償却」にして来年以降に経費を残すなど、戦略的な判断が可能です。固定資産台帳への登録を忘れずに行いましょう。
3. 家事按分(かじあんぶん)の計算
自宅兼事務所の家賃や光熱費、スマホ代、自動車関連費用など、プライベートと事業の両方で使っている支出を経費にする処理です。
これこそが個人事業主の最大の節税ポイントと言えます。
- 家賃:使用面積や使用時間で割合を決める(例:30%〜50%)
- 電気代:コンセント数や業務時間で割合を決める
- 通信費:業務での使用頻度で決める
重要なのは「税務署に聞かれたときに、合理的な説明ができる根拠があるか」です。「なんとなく50%」ではなく、「週5日、1日8時間事務所として使用しているため」といった説明ができるようにしておきましょう。
※家事按分の計算は、税理士もかなり注視するポイントなのでかなり明確にしておくことが重要です。
4. 発生主義のズレ調整(未収・未払・前払・前受)
青色申告(発生主義)では、お金が動いたタイミングではなく、「取引が発生したタイミング」で計上するのが原則です。そのため、12月と1月をまたぐ取引の調整が必要です。
未収入金(売掛金)・未払金(買掛金)の確定
12月中に納品やサービス提供が完了し、入金や支払いが翌年1月になるものも、今年の「売上」や「経費」に含める必要があります。ここが漏れると「売上計上漏れ」の指摘を受けやすいです。
【前払費用・前受金の処理】
逆に、翌年分の保険料や家賃を今年支払った場合、原則は来年の経費にします。
ただし、「短期前払費用の特例」の要件(支払日から1年以内の役務提供であり、かつ毎年継続して適用していること)を満たせば、支払い時に全額を経費算入できる場合があります(年払いのサーバー代やドメイン代など)。
会計ソフトを使えばStep2は劇的にラクになる
ここまで読んで「うわっ、面倒くさそう…」「簿記なんてわからない」と思った方も多いのではないでしょうか。手書きやエクセルでこれらの「決算整理仕訳」を行うのは、専門知識が必要で非常に困難です。
しかし、現代のクラウド会計ソフトを使えば、このStep2の作業は驚くほど簡単になります。
- ミスを自動検知:「現金がマイナスです」「重複の可能性があります」とアラートが出るため、税務リスクを減らせます。
- 難しい仕訳が不要:「在庫はいくらですか?」「家事按分の割合は?」という質問に答えるだけで、裏側で正しい仕訳が自動作成されます。
- 時短効果:銀行口座との連携で、残高のズレは1円単位で自動で合います。
もし、まだ会計ソフトを導入していない、あるいは使いにくいソフトを使っている場合は、確定申告直前のこの時期こそ乗り換えや導入のベストタイミングです。
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結論|Step2をクリアすればゴールは目の前!
今回は、青色申告のStep2「総勘定元帳のチェックと決算整理」について解説しました。
- 現金・預金残高は実際と合っているか?
- クレジットカードの日付や重複ミスはないか?
- 12月末の在庫(棚卸し)を計上したか?
- 10万円以上の資産(減価償却)の処理は適正か?
- 家事按分で根拠を持って経費計上したか?
- 12月発生分の未払い・未入金の計上漏れはないか?
このStep2が終われば、数字は確定します。あとはその数字を「決算書」というフォーマットに落とし込むだけです。
次回の【青色申告Step3】では、いよいよ「青色申告決算書の作成手順」について解説します。確定申告書Bとの違いや、控除額の記入方法など、提出直前の最終仕上げに入っていきましょう。
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参考文献・出典
本記事の作成にあたり、以下の信頼できる情報を参照しています。

